実もの野菜が葉物より手がかかる理由
レタスのような葉物は葉が育ったぶんだけ収穫すればよいのですが、実もの野菜は株が二つの仕事を同時にこなさなければなりません。茎と葉を育てることと、花を咲かせて実を太らせることです。実が早くからたくさんつくと株が育たずにすぐ疲れてしまい、逆に肥料が多すぎると葉ばかり茂って花がつきにくくなります。つまり実もの野菜づくりは、この二つの釣り合いをとる作業だといえます。植えつけ時期や支柱といった基本は簡単な野菜の記事で扱ったので、ここでは夏じゅう長く収穫するための途中の管理に絞ります。
植えつけで決まること
実もの野菜は一株が長く持ちこたえなければならないので、最初の根づきが大切です。鉢は一株にひとつずつ、ゆとりのあるものを使い、欲張って何株も同じ鉢に植えないようにします。苗は葉の色が濃く、節と節の間が詰まっていて、最初のつぼみが見えるか見えないかくらいのものが無難です。トウガラシとナスは苗の土の高さのまま植えるのが基本で、まだ夜が冷えるうちに急いで植えると根が落ち着かず、しばらく生育が止まってしまいます。植えたらすぐにたっぷり水をやり、根づくまでの数日は強い風と真昼の日差しを少し避けてあげます。
トウガラシ:一番果を惜しまない
トウガラシは茎が最初に二股に分かれるところに一番花が咲くことが多い野菜です。この一番花や一番果を早めに取ると、実に回るはずだった力が茎と根に向かって株が大きく育ち、結果として夏の間の収穫量が増えるというのが家庭菜園でよく使われる方法です。実がつき始めたら、毎日同じ時間に株を見る習慣をつけましょう。葉が急にしおれたり下葉が黄色くなったりしたら、水か肥料が足りていないのかもしれません。
- 最初の分かれ目より下のわき芽は整理
- 一番花・一番果は早めに取る
- 青トウガラシは十分な大きさになったらすぐ収穫
- 赤く熟させる実は一株に数個まで
ナス:水と肥料を惜しまない
ナスは実もの野菜の中でも水と養分をよく吸うほうです。土が乾くと実がかたくなり、表面のつやが消えますが、これが水不足のいちばんわかりやすいサインです。一番花のすぐ下から出た勢いのよいわき芽を二本残し、主枝と合わせて三本仕立てにするのが一般的で、それより下のわき芽は取り除きます。実の重みで枝が開かないよう、それぞれ支柱に結んでおきます。へたの部分がかたいので手でねじらず、はさみで切ると枝を傷めません。大きくしすぎると種がかたくなり株も疲れるので、ほどよい大きさで早めに取ります。
キュウリ:つるを上へ伸ばす
キュウリはつるで育つ野菜なので、地面に這わせると場所をとり、実が土に触れて傷みやすくなります。ネットや長い支柱を立てて巻きひげが絡みながら登れるようにし、最初は茎を手で結んで向きを整えます。下から数節のわき芽と花を取って株を先に育てると、上のほうで実がよくつきます。キュウリは実がとても早く大きくなるので、一日二日で育ちすぎてしまいがちです。大きくなった実をつけたままにすると次の実がつきにくいので、若いうちにこまめに取ります。実が曲がったり先が細くなったりするのは水や養分不足のサインのことがあり、乾いた暑い日が続くと苦みが強くなることもあります。
ピーマン・パプリカ:待つ価値のある実
ピーマンとパプリカはトウガラシの仲間なので育て方は似ていますが、実が大きく肉厚なぶん時間がかかります。ピーマンはふつう緑のうちに収穫するので比較的早く食べられる一方、パプリカは実が大きくなりきってから色づくまでかなり長く待たなければなりません。その間に株がたくさんの実を同時に抱えると力が足りなくなるので、最初は一株あたりの実の数を減らし、ひとつひとつを十分に育てます。夏の強い日差しを長く受けると実の片側が白く焼けることがあるので、葉を取りすぎないのもこつです。
追肥と収穫の見極め
実もの野菜は期間が長く、植えつけ時に混ぜた元肥だけでは夏の終わりまでもちません。実がつき始めたら追肥を少しずつ分けて与えますが、一度にたくさん与えると根が傷んだり葉ばかり茂ったりするので、必ず製品に表示された量と間隔を守ります。鉢では株元のすぐそばではなく鉢の縁のほうに置いて水をやります。収穫は遅れるより早いほうがよいでしょう。実を適時に取ることで、株が次の花に力を使えるからです。
- 花がよく落ちる:暑さ・水不足・日照不足を疑う
- 葉ばかり茂る:肥料過多か日照不足
- 実の先が黒く腐る:水やりにむらがないか点検
- 肥料は表示どおりの量と間隔で、鉢の縁に
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